分子病態病理学講座の教育システム
分子病態病理学講座は基礎講座に配置されています。と同時に病理組織学的診断や細胞診診断を中心とした、いわゆる外科病理を担う臨床講座としての特徴も有しています。当講座に入局後は、病理診断医(病理診断を中心に行う臨床医)、病理研究医(研究も行う基礎医兼病理医)どちらにもなることができます。また、臨床科から当講座にて大学院生もしくは研究生として研究を行うことも可能です。興味があるならば研究、診断で国内および国外留学も可能です。
① 病理診断医を目指す場合
入局後、分子病態病理学講座及び関連病院で研修を行っていただきます。関連病院ではOBの病理専門指導医が指導させていただきます(関連病院項を御参照ください)。カリキュラムは各医師に合わせて調整していきます。病理研修しながら大学院の入学も可能です。病理専門医取得後は、大学もしくは関連病院で病理診断医として働くことになります。
② 病理研究医を目指す場合
入局後、弘前大学大学院に入学していただきます。大学院は、社会人大学院生として臨床研修2年目から入学可能です。病理研修とともに、各自のテーマで基礎研究を行っていただきます(研究項をご参照ください)。学位取得後は、そのまま研究を続けるか(ぜひ!!)、もしくは病理診断医として働くことも選択できます。もちろん、病理研究医となっても、病理診断はルーチンで行います。
病理研究医にも、もちろん病理専門医取得は必須です。病理診断医として、一定期間の関連病院における研修が今後、必修となる予定です。
③ 大学院生として研究を行う場合
他の臨床科から当講座の大学院生として、もしくは研究生として研究を行うことも可能です。学位取得後は臨床医として各臨床科に戻る例が大部分ですが、そのまま病理医として当講座に残る例もまれにあります。
Q&A
Q1. 大学院生では収入はどうなるのでしょうか?
A1. 大丈夫です。当講座のOBの病理専門医がいる関連病院で非常勤病理医として働くことができます。その際、標本の指導も受けることになるので、安心です。臨床科からきていただいた大学院生もしくは研究生は、基本的にはその臨床科の人事に従うことになります。
Q2. 大学院生で研究ばかりしていても、病理専門医になることはできるのでしょうか?
A2. 大丈夫です。研究と病理診断を両立することは確かに大変かもしれません。しかしながら、たとえ研究に没頭しても、時間を有意義に使えば可能です(患者様そのものを見るわけではないので、ある程度時間に融通がききます)。当講座の大学院生は講座と関連病院で、複数の指導医のもとで病理診断を行うことになるので、病理専門医試験も自信を持って受けることができます。
Q3. 病理研究医は病理診断医として関連病院で働けないのでしょうか。
A3. 大丈夫です。当講座の教育システムは、研究のみならず病理診断医として独り立ちできるよう指導していきます。実際、病理研究医として大学で働いていた多くの先生方が、関連病院で病理部もしくは検査部部長としてご活躍なされております。
Q4. 国外留学は可能でしょうか?
A4. 大丈夫です。病理診断、研究ともに留学可能です。米国の国立衛生研究所などがおすすめです。
Q5. 学生時代、病理があまり得意ではなかったのですが、病理医になれるでしょうか?
A5. 大丈夫です。某先生は学生時代、病理実習中に顕微鏡をのぞきながら寝ていましたが、今では病理指導医としてご活躍なされております。学生時代の成績はあまり関係ないようです。要はどれくらい情熱と興味を持てるかだと思います。
Q6. 病理医と家庭の両立は可能でしょうか?
A6. 大丈夫です。全国的に女性病理医は増加しております。当講座でも数名の女性病理が在職しております。もちろん、様々な家庭の都合(お子さんの授業、部活などなど)により、勤務時間、パート等は配慮なされますので、両立は可能です。